クロス屋さんの道具といってもかなりの種類があります。そして数ある道具の中から思考錯誤して自分にあった道具を探すのもクロス職人の仕事だと思います。
私の知りうる限りダントツで上手い職人さんがいたのですが、その方もクロス職人の腕は8割道具で決まるとおっしゃっていました。
しかし実際に使ってみないとなかなか使い勝手が分からないものです。
今回はクロス屋として最低限必要な道具や私自身クロス職人として実際に思考錯誤して使ってみてとても便利だった道具を説明していこうと思います。
クロス屋さんには新築、リフォーム、店舗などいろいろな現場があるのでどのような現場なのかによって必要な道具が異なりますが今回は主に新築戸建ての現場を納めるためによく使われる道具を紹介しようと思います。
クロス屋さんで年収1000万円は可能?
Contents
クロス職人が使うメインの道具!職人編
クロス職人が使うメインの道具としてジャンル分けしてしまいましたがここではクロス屋さんの道具の中で貼る道具やパテ道具以外を紹介していこうと思います。
具体的に紹介する内容はこんな感じです。
- 糊付機
- 撹拌機
- インパクト
- 脚立
- クロス職人の掃除機【粉塵機】
糊付機
糊付け機械はその名の通りクロスに糊をつける機械です。
いろいろ種類がありますが基本的に手引きの出ない糊付機でない限りほとんど同じだと思います。
私が見てきた職人さん達はほとんどの人が極東の糊付機を使っていました。
写真
最近の機械はスマホで寸法を機械に転送できる機能もついていたりするみたいです。
スマホで寸法がとれるようになればかなり便利なのですが今のところそのような機能はないようです。
最近ではメルカリなどでかなりお手頃な価格で取引されていますが個人的には糊付け機械はクロス職人の道具の中で最も高価な道具でありクロス職人なら誰もが大切に扱い扱う道具なので人によってはかなり思い入れが出てくる道具でもあると思います。とりあえず早く独立したいという方は中古品でもいいのでしょうが一流を目指している職人さんなら新品を買った方が気持ち良く仕事ができると思います。
中古品だと粗悪品も混ざっているかもしれませんが新品なら2,30年は使える代物です。
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攪拌機
攪拌機は糊やパテを練る道具です。
クロス屋さん以外でも使う道具なのでブレードの部分などいろいろ種類がありますが私はマキタの<UT 1305>という攪拌機を使っています。
ミキシングブレードの羽根径は165mmのものを使用しています。(粘度が低いものの攪拌用のブレードです)
最近ではコードレス攪拌機なるものも出てるそうなので気になる方は要チェックです。
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インパクト
インパクトはビスを抜いたり締めたりする為に使用する道具です。
クロス屋さんでは手すりやガチャレールなどの脱着に使われます。
ボードビスがかなり出ている現場の場合、最初にインパクトを持ってビス締めに回る場合もあります。
職人さんの中にはビス締め用の小型のインパクトを持っている人もいました。
ちなみに私はマキタの14.4Vを使っています。
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脚立
クロス屋さんでは3尺の脚立をメインで使います。(ちなみに脚立に使う単位である尺ですが1尺は30センチになります。)
メインを2尺にしている方もいますが天板に乗ると注意されてしまう現場もあるので身長によると思いますが私は3尺が無難だと思います。
私は3尺2本、5尺、階段脚立(4尺)、足場板長短2本、馬、2連ハシゴを常に車に積んでいます。
倉庫にはタケノコ(伸縮ハシゴ)7尺、8尺、小回り用の3尺などがあります。
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クロス職人の掃除機
掃除機はパテの粉などを吸い取る為に使います。
普通の掃除機だとパテの粉を吸い取るように設計されていないためパテ粉を吸い込んでしまうとすぐに壊れてしまします。
そのため業務用の掃除機が必要になります。
リョービやマキタなどいろいろなものがありますが比較的値段が安いリョービでも現場の進行にそれほど支障はないです。
マキタの方が金額は高いのすがその分性能は良いので余裕がある人はマキタの掃除機の方が断然良いです。
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クロスを貼る道具!職人編
次にクロスを貼る時に使う道具(腰袋に入っている道具)を説明していきます。
クロスを貼る道具は細かく分けるとこんな感じです。
- 腰袋
- ローラー
- カッター
- ヘラ
- 撫で刷毛
腰袋
腰袋はクロスを貼る時に使う道具を入れる道具です。
大抵のひとは右利きの場合右側にカッターや地ベラやローラー、スムーサー、角ベラ、など貼る際に使う道具のほとんどを収納しています。
左側にスポンジやウエスやコークを収納しています。
私はコークフォルダーを腰袋の後ろ側に分けてつけています。
他には右側に右手で持つ道具(カッター、ローラーや、スムーサー、撫でバケなど)左側に左手で持つ道具(地ベラ類)後ろ側にスポンジやコークを収納しているタイプの人もいます。
慣れるとその腰袋の配置の方が速く貼れるみたいです。
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ローラー
ローラーはクロスをつなぎ合わせるジョイント部分を圧着する為の道具です。
ローラーにも幅が広いもの、狭いもの、素材が柔らかいもの、硬いものなど様々な種類があります。
突き付けで貼る場合は幅広の方がやりやすいかと思います。
ジョイントを切る場合は幅が狭いものでしっかり圧着させたほうが後で開きにくくなります。 勇助っ人今日はクロス屋さんが使うおすすめのローラーについて説明していくよ クロス屋さんが使うローラーとDIYで使うローラーって何か違うの?職人見習い君 勇助っ人使い方とか形状は特に違いは無いけど耐久性 ...
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カッター
カッターはクロスを貼り付けた時の余分な部分を切ったりジョイントを切ったりする時に使います。
カッターの扱い方で次第で仕上がりにかなり影響が出てくるのでクロス屋さんの道具の中で最も仕上がりに直結する道具の一つです。
カッターにもいろんな種類がありますが大抵の人は小刃のロングを使っているイメージです。中には中刃を使っている人もいて私も試してみたのですがやはり私には小刃のロングの方がやりやすかったです。
私はジョイントにはオルファーというメーカーのロングタイプの鋭角の替え刃を使っています。
ヘラ
ヘラには厚ベラ、薄ベラ、角ベラ、ミニ地ベラ、など様々な種類があります。
厚ベラは幅木やドア枠などクロス以外に接する部分を切る道具です。厚ベラを使う時はチリを綺麗にだす事が最も大事になります。
薄ベラはジョイントを切ったり入り隅などクロスとクロスが接する部分を切る時に使う道具です。ジョイントに関しては専用の定規を使う人もいます。
角ベラ(ツノベラ)は幅木やドア枠の取り合いや入済みの取り合いなどクロスにしっかりと角を出す為に使われます。
撫で刷毛
撫で刷毛はクロスを貼りつける時に空気を抜く為に使われます。撫でバケには大きさや毛の堅さや形状、素材の違いなど様々な種類があります。
さらに細かい部分の空気を抜いたりシワなどをしっかり伸ばす時にはスムーサーという道具が使われます。
出隅みをしっかりと出す時にもスムーサーを使います。
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クロス屋で使うパテ道具!職人編
パテとはクロスを貼る前にボードの継ぎ目や段差、ビス穴などを平らにするために使うものです。
基本はGL(下パテ)と仕上げ(上パテ)を一回ずつ打ちます。
パテはクロス屋さんの基本中の基本のようなものでクロスをいくら綺麗に貼ってもパテが悪いとクレームになってしまします。
そしてクロス屋さんにとってパテのクレーム補修が一番大変です。なのでクロス屋さんが一番気をつけなければならない作業がパテであり、一番習得が難しいのもパテなのです。
そんなクロス屋さんにとって一番大事といっても過言ではないパテに使う道具について説明していきます。
細かく分けるとこんな感じです。
- GLベラ
- 仕上げベラ
- パテ板
- サンダー
それでは詳しくみていきましょう!
GLベラ
私が勝手に名付けてしまいましたがGLベラとはパテのGL(下パテ)を打つ為に使うパテベラです。
パテベラにはサイズがあり”寸”という単位で大きさを表します。(ちなみに1寸は3センチです。)
GLベラは仕上げベラより一回り小さいパテベラを使います。
私はメインで5寸のパテベラをGLに使っています。他にも1寸、3寸などを細かい所などで使い、ボード下地が悪い場合には仕上げベラで使用する8寸のパテベラを使う事もあります。
なぜ私が5寸を使うのかというとボードの継ぎ目の部分の段差をGLで調整する場合に一番使いやすいサイズだからです。
下地が悪い現場などでは6寸を使ってもいいのかもしれませんが一般的な下地状況の現場で6寸をメインで使ってしまうとその分パテの幅が広くなってしまいパテを余分に消費してしまう事になるのでやはり5寸メインで慣れておくのがベストだと思います。
ちなみに下地が綺麗な現場では4寸でも全然大丈夫なのですが4寸だと一般的な現場の袖壁の幅より小さくなってしまいパテが打ちづらくなってしまうので私は下地が綺麗な現場でも5寸を使いパテの幅は3寸か4寸ぐらいの幅に調整し、無駄なパテを消費しないようにしています。
仕上げベラ
仕上げベラは仕上げ(上パテ)を打つ時に使います。
先ほど少し触れてしまいましたが、仕上げでは私は8寸を使用しています。
なぜ8寸を使用しているのかというと下地が悪い場合も8寸あればそれなりに調整できてしまうからです。
基本はシングル(目地にたいしてパテベラ1幅分)で打っています。下地が悪い場合などはトリプル(パテベラ3幅分)で打つ場合もあります。
パテ板
パテ板とはパテを打つ時にパテを持ち運べるようにパテを乗せておく板の事です。
パテ板にもサイズや形、素材などがあり様々な種類があります。パテ板に関しては自分が使いやすいものであればプラスチック製でない限り大丈夫だと思います。
なぜプラスチック製がダメなのかというと、パテがパテ板にこびりついてしまって使っていく内にパテが取れなくなってしまうからです。
サンダー
サンダーは目の粗い紙ヤスリや細かい紙ヤスリなどを取り付けてGLや仕上げのパテを削るために使います。
私はサンダーにつける紙ヤスリは60番を基本的に使っています。それ以下の粗いヤスリは使いませんが壁紙の種類によっては状況に応じて120番のヤスリを使ったりもします。
最近は掃除機つないで削りながらそのまま粉を吸ってくれるタイプのものもあるみたいです。
削りの作業はクロス屋さんの作業の中で最もキツくて最も汚れる仕事なので私はなるべく削らないようなパテ打ちを心がけています。
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クロス屋さんの道具まとめ
クロス屋さんの道具を大きく分けるとこんな感じでした!
- メインの道具
- 貼る道具
- パテ道具
一言にクロスを貼るといってもその過程にはいろいろな作業があり使う道具もそれなりに多いです。実はここでは紹介しきれていない道具がまだまだあります。しかしクロス屋さんで使う道具は主に細かい道具ばかりなので総額では他の業者さんと比べると安く済みます。
私なんかは働きはじめの時、道具を覚えるだけで精一杯いでした。そんな道具の一つ一つに焦点をあてるとかなり奥が深いものがあります。
その道具一つ一つにこだわり、いかに効率よく綺麗に仕上げていくのかがクロス職人の”職人の技”の一つでもあると思います。
今回は道具について説明しましたがここまでの説明で最初に紹介為た通り”クロス職人の腕は8割道具で決まる”という言葉の意味が少しでも理解していただければ幸いです。