クロス屋さんの道具の中でも”糊付機”は最も高価でありクロス屋さんにとって一番重要な道具といっても過言ではないです。
クロス屋さんにとって最重要なだけあってその種類もかなりの数があります。今回はそんな糊付機のおすすめの種類や使い方、中古品、レンタルなどについて徹底解説していきます。
この記事は以下のような方々に役立ちます。
- 糊付機を買い換えようか悩んでいる方
- 中古品の糊付機を検討している方
- クロス屋さんに興味があり糊付け機について知りたい方
- 糊付機の不具合やトラブルが起きたときの対処法が知りたい方
- 自宅の壁紙をDIYで自分で貼替えたい方
様々な人に役立てるように現役のクロス職人である私がなるべく分かりやすく徹底解説していきます。
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クロス屋さんの独立に必須な道具一覧!DIY壁紙貼替えにもおすすめ
Contents
クロス屋さんが使う壁紙糊付機とは?
糊付機はその名の通りクロス(壁紙)に糊をつける機械です。
具体的には糊付機にクロスをセットし、糊盆と言う所に糊を入れ、糊付機の頭と言われるコンピューターにクロスの寸法の数字や枚数を入力しスタートを押すと自動で寸法通りに糊が付いたクロスが出てくるという仕組みです。
糊付機から出てきたクロスは貼りやすいように丁寧にたたみながら出していきます。
最後にクロスをカッターでカットし、クロスに付けた糊が乾いてしまわないようにカンガルーといわれる糊付けしたクロスを入れておく袋の中に入れます。
糊付機の歴史は古く世界で始めて糊付機が登場したのは今から約50年前の1971年で最初は手動の糊付機でした。
今でも展示会などの現場では手動の糊付機が使われる事がありますがほとんどのクロス屋さんは自動糊付機を使用しています。
糊付機がない時代はかなり大変だったようで糊付機がしてくれる作業がすべて手作業になるので最初にクロスを寸法通りに裁断して一枚一枚刷毛で糊を塗らなくてはなりません。
私もたまにちょっとした貼替えなどで糊付機を車から降ろしてセッティングしたり糊付機を最後洗ったする手間を考えると逆に時間がかかってしまいそうな場合は手付けで糊付けする時もあります。
糊付機が無くてもクロスは貼れるのですがクロス屋さんとして生計を立てていくためには1日に大量のクロスを貼らなければならないのでクロスの職人さんにとって糊付機は必須なのです。
まず最初に紹介するのはこんな感じの内容です。
- 手動壁紙糊付機について
- 自動壁紙糊付機について
糊付機には手動の機械と自動の機械があります。
今ではほとんどの職人さんが自動糊付機を使っていますが具体的にどんな違いがあるのか観ていきましょう。 勇助っ人見習い君はクロス職人として独立したら将来どれぐらい稼げるようになりたい? そうだなー せっかく独立するなら年収1000万円ぐらい稼いでお金持ちになりたいなー職人見習い君 勇助っ人なるほどー! ...
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手動壁紙糊付機
手動糊付機は別名手引糊付機とも言われますがクロスを機械に通して手で引っ張ってつけるタイプの糊付機です。
自動糊付機と違ってクロスの原反をセットする部分が糊付け機の上の方に付いています。
手で引く時に上に原反あった方が重力の関係で楽に引っ張れるからだと思います。そのため原反をセッティングするのが自動糊付機と違って少し大変です。
そして手動糊付機では自動糊付機の頭(操作ボックス)にあたる部分であるカウンターをセットします。これをセットすることによって今何センチ引っ張ったのか?何枚取ったのか?が分かります。下記に自動糊付け機の操作ボックスの写真を貼っておきます
しかし手動糊付機には後に紹介するスリッターが付いていないのです。スリッターが無いというのは自動糊付機との大きな違いの一つです。
手動糊付機の価格は自動糊付機の半分ぐらいなので値段だけでみると安く感じますが実際にクロス職人として生計を立てていくなら特別な理由が無い限り自動糊付機を買った方が作業効率が上がり手動糊付け機との差額はすぐ稼げてしまうでしょう。
自動壁紙糊付機
自動糊付機は先ほどの手動糊付機と違い機械の頭(操作ボックス)に寸法を入力してスタートを押すと自動でクロスに糊が付いた状態で出てきます。
自動糊付機には手動糊付機にはないスリッターが付いています。
スリッターとはクロスの両端の耳の部分を落とすための部品です。スリッターがある事によって耳を綺麗にカットする事ができます。耳を綺麗に落とせるとクロスの材料によってはジョイント部分を突き付けで貼ったり入隅(部屋の隅など)の部分を突き付けて貼ったりする事ができるので作業効率がかなり上がります。
自動糊付機はどういう仕組みで自動的にクロスが出てくるようになっているのかと言うとズバリ、糊付けローラーが自働で回っているからです。
この糊付けローラーは糊付機の頭(操作ボックス)を操作する事によって回転するスピードを調節できます。
糊付けローラーを速く回す事によってクロスが出てくるスピードを速くする事ができるのです。
クロスの材質によってはあまり速く出しすぎてはいけない物もあるのでその場合は逆に遅めに調節する事もできます。
糊付機を洗う時も糊付けローラーを回転させておきながら糊箱やスポンジを糊付けローラーに押し当てるだけで糊が取れてしまうのでやはり自動糊付機の方が多方面で便利だと言えるでしょう。
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クロス屋さんの壁紙糊付機ランキングTOP3
ここまで糊付機についていろいろ説明してきましたが、いざ糊付機を購入しようと考えた時にいったいどんな機能が付いている糊付機があるのか気になる方もいるかと思います。糊付機といってもかなりの種類があるので現役のクロス職人として私なりのおすすめの自動糊付機をランキング形式で選んでみました!
糊付機の購入を検討されているクロス屋さんに少しでもお役に立てればと思います。
結論から言うとこのようなランキングになります!
- 自動壁紙糊付機【Prime μⅢ11-1394・プライムミュースリー】
- 高性能自働壁紙糊付機【Athlead Alex・アスリードアレックス】
- 軽量自働壁紙糊付機【Hiβ MASTER 2 ハイベータマスターツー】
それではなぜこのようなランキングになったのか詳しく見ていきましょう。
1位:自動壁紙糊付機【Prime μⅢ11-1394・プライムミュースリー】
この糊付け機は極東のプライムミュースリーというものでコスパも性能も良く私も愛用している糊付機です。
機能としては最新の高性能モデルには劣りますが価格を比較すると正直糊付機の機能としては従来のタイプの物と比べると十分だと思います。
私の知り合いのクロス職人でここ最近糊付機を買い換えた人たちもほとんどの人がこのプライムミュースリーを選んでいます。
従来の糊付機に比べ、かなり軽量化されているのとスリッターの調節がかなり楽になった点が大きな違いの一つです。
糊付ローラー
さらに細かくいうとローラーの溝は中央のほうが両端よりも浅くなっているのでローラーが糊を吸い上げた時にクロスに均等に糊が付くように工夫されているのです。
逆に従来の物糊付機はクロスの両端にいくほど糊が薄く付いていたと言うことになります。
押さえローラー
また押さえローラーには黒色アルマイト加工が施されているので糊が付着した時に分かりやすくなっていて手入れも簡単にできるようになっています。押さえローラにはスリッターのメモリと同じ間隔で目印が付いているのでクロスのセット時に調節がしやすくなっているのです。
糊補給警告機能
これはもしかしたら使っている人でも気づかなかった人もいるかもしれませんが、プライムミュースリーにはあらかじめ糊付機可能長さを設定する事により、糊切れのタイミングでアイコンとブザーでお知らせしてくれる機能も付いています。
自働壁紙糊付機【プライムプライムミュースリーの価格】
価格帯:25万円~30万円
ちゃっかり従来の糊付機には無かった機能が盛り沢山でしかも価格も30万弱なので糊付機の中ではダントツでおすすめです。
2位:高性能自働壁紙糊付機【Athlead Alex・アスリードアレックス】
この糊付機は名前に高性能と入っている通りで今出回っている糊付機の中でもダントツで高性能だと思われます。しかし価格もダントツです!笑
先ほど紹介した糊付機とは相反する感じになってしまいますがこのアスリード・アレックスはスマホ対応もしているほど高性能です。私も欲しいです!
では早速紹介していきましょう。
糊付機の頭(操作ボックス)
まずはなんと言ってもアクロバットディスプレイです。
アクロバットディスプレイとは、糊付機の寸法などを入力する頭(操作ボックス)の部分なのですが、なんと業界唯一ディスプレイが機械のど真ん中の上部についています。他の糊付機ですと極東の場合左端、ヤヨイの場合は右端にディスプレイが付いているのでどうしても姿勢が悪くなってしまいがちです。しかしこのアスリード・アレックスでは正面を向いたまま糊付けができてしまうのです。
そして何よりめちゃくちゃコンパクトです!!
スリッター
スリッターにも工夫が施されているようで従来のものよりも糊付け時のクロスのブレを押さえ、さらに切れ味までアップしているそうです!
これによりEBクロス、エコクロスのような材料の糊付けにも従来の糊付機より糊付けがしやい事は間違いないと思われます。
スマホ対応
スマホと繋がる事によって盗難防止機能がついています。
どういう事かと言うと、スマホの専用アプリ内のキーを解除しないと機械が作動できないようにする事ができるそうです。
従来の機械だと、人が沢山出入りするような盗難の恐れがある現場だったりすると帰り際にいちいち糊付機の操作ボックスをはずして持って帰っている方もいるかと思います。
アスリードアレックスならわざわざ糊付機の操作ボックスを外して持って帰る必要がなくなります!
盗難する側も盗む前に動作確認はするはずなのでその際に糊付機が起動できなければそもそも盗まれないという根端です。(私的にはそれでも万が一盗まれてしまった場合に備えてGPS機能がついていて追跡できるようになっていたら100点満点でした。)
もう一つの機能として寸法をスマホから通信できるようになっています。
スマホアプリでは入力した寸法の必要m数も割り出す事ができて、さらに入力した寸法から総m金額や総㎡金額まで割り出せてしまいまうのです。
寸法を入力しただけで必要m数が割り出せてしまうので戸建ての現場などでは最初に材料別の寸法をすべて入力してしまえばどの材料が何m足りないのかとなども貼り出し初日に把握できてしまいます。
高性能自働壁紙糊付機 アスリード・アレックスの価格
価格帯:40万円~45万円
今出回っている糊付機の中でもおそらくダントツで高性能なのがアスリード・アレックスです。
個人的に一番欲しい糊付機でもあります。
これだけ高性能なだけあって値段もそれなりに高いですがお金に余裕のある方は検討してみる価値は十分あると思います。
アスリード・アレックスを持っていればクロス屋さんとして間違いなくある種のステータスになると思います。
もしアスリード・アレックスを私が持っていたらクロス屋さん仲間に自慢してしまう事も間違いないです!笑
3位 軽量自働壁紙糊付機 Hiβ MASTER 2 ハイベータマスターツー
第三位は軽量自動壁紙糊付機ハイベータマスターツーです。
この糊付機は他の糊付機と比べて軽量化されているのが特徴です。
よく見るとタイヤの部分が半透明になっていてちょっとおしゃれ感じに仕上がっています。
基本的な機能としては第一位で紹介したプライムミュースリーとほぼ同じなのですがプライムミュースリーとの大きな違いが3つほどあります。
プライムミュースリーとの違いその1:
違いの1つ目としてこのハイベータマスターツーには操作ボックスにUSBの給電ポートが付いています。これにより携帯を充電したり小さめのライトをセットしたりする事ができます。アスリードアレックスと違いデータ通信はできないそうなのですが他の糊付機にはないちょっとした便利なポイントの一つです。
プライムミュースリーとの違いその2
違いの2つ目は糊補給警報機能です。
第一位で紹介したプライムミュースリーにも糊補給警報機能がついていましたがこのハイベータマスターツーの機能はさらに進化しています。
プライムミュースリーではあらかじめ有効糊付けM数を設定して糊切れ警報ブザーが鳴る仕組みでしたがハイベータマスターツーではさらに糊供給機を接続すれば糊補給警告と連動し、糊の自動供給が可能になっています。別途で糊供給機を買わなければなりませんがこの機能があることにより今後一生糊切れを心配する事がなくなります!そしていちいち糊を糊箱に移す作業をしなくてすむので時短にもなります。
プライムミュースリーとの違いその3
プライムミュースリーやアスリードアレックスとの違いとしてこのハイベータマスターツーは軽量化されています。
数字であらわすと以下のようになります。
- プライムミュースリー:36.3キログラム
- アスリードアレックス:34.9キログラム
- ハイベータマスターツー:33.9キログラム
こう見るとアスリードアレックスとあまり変わりがないように見えてしまいますが、上記は総重量なのです。
ほとんどの方は糊付機を運ぶ際にバラしてから運ぶかと思います。重要なのは糊付機の中で一番重い本体の部分なのです。
本体部分で比較してみましょう。
- プライムミュースリー:18.9キログラム
- アスリードアレックス:20.5キログラム
- ハイベータマスターツー:16.5キログラム
このように本体部分で比較するとハイベータマスターツーはかなり軽量化されていることがわかります。
ハイベータマスターツーの価格
価格帯:35万円~40万円
価格帯で見ると第一位で紹介したプライムミュースリーとアスリードアレックスのちょうど真ん中辺りの価格になっています。
このランキングは私の独断で決めていますが人によってはこのハイベータツーが第一位になる可能性も十分にあります。
軽量化されているというのはかなり重要な部分だと思います。搬入の際に腰を痛めるリスクなどを考えるとなるべく重い物を運ばないようにしたり、少々面倒ですが糊付機はなるべくバラして軽くしてから運んだ方が絶対にいいです。私も最近腰を痛めたのもあり、体は大事にしなきゃいけないなとつくづく感じています。職人はなにより体が大事なので私は体を痛めるリスクはなるべく減らしていくべきだと考えています。そう考えるとハイベータマスターツーの軽量化というのは他の糊付機と大きく異なる重要なポイントだと思っています。体に気をつけているクロス屋さんにはこのハイベータマスターツーがかなりおすすめです。
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壁紙糊付機を買うなら中古がお得?
さておすすめの糊付機を3つほど価格帯付きで紹介してきましたが、中古で買えばもっと安く買えるんじゃないの?と思った方もいるでしょう。
結論からいうともちろん安く買えてしまいます。
中古で買うにはメルカリやヤフオクなど、いろいろなサイトで出回っています。
中古の価格帯としてはバラツキがありますが大体半額から3分の1ぐらいの価格で取引されているようです。
とりあえず早く独立したい!とか資金は無いけど早急に糊付機が必要だ!という方には中古での購入が良いかもしれません。
しかし安いには安いなりの理由があるのです。
使用期間が同じなのに価格が違うもの、使用期間が他の糊付機より短いのに他の糊付機より安いものなどがあり、結局値段や使用期間や傷や汚れ度合いなどではどの糊付機がお得のなのかの判断ができないのです。
運もあるかと思いますが中には粗悪品や盗難品も混ざっていることがあるので、資金がある、または準備できそうなら新品の糊付機を買ったほうが間違いないと思います。
知人から安く買い取るなどの場合は信頼関係が築けていればかなりお得に買えてしまう場合もあると思います。
壁紙糊付機のレンタルはできる?DIYで自宅の壁紙を貼替えたい時の糊付け方法
ここまで糊付機について説明してきましたが、DIYなどで自宅の壁紙を貼替えたいと思っている方に向けて糊付機を一時的に使う方法を紹介します。
レンタルはできるのか?
結論から言いますとレンタルは難しいようです。
個人事業主の一人親方のクロス屋さんや町の内装屋さんなどで機械を貸し出ししている所もあるようですがググってみても中々出てこないかと思います。
直接近くの内装屋さんに電話で相談してみるか知り合いのクロス屋さんなどがいれば聞いてみればもしかしたら貸し出しをしてくれる所もあるかもしれないです。
ホームセンターで糊付けをしてもらおう!
どうしても糊付けをしてもらいたい場合はスーパービバホームなどのお近くの大きいホームセンターに行くと良いかと思います。
大きいホームセンターなら基本クロスの糊付けをしてくれると思います。
クロスが乾かないように一枚一枚ビニールでラッピングしてくれるところもあったりします。
こんな感じの糊付機で糊付けしてくれます!
ちなみにこの糊付機は200万円以上するようです!笑
金額は場所によってマチマチなので気になる方はお近くのホームセンターに行けばすぐに教えてくれると思います。
クロスは糊付機ので糊付けしたほうが綺麗にムラ無く糊がつけられますが。手付けでも全然問題ないので、ちょっとしたアクセントの貼替えなどクロスのm数で言うと10m前後の貼替えであれば手付けでも問題ないです。
ちなみにこれが手付けに使う糊付けローラーです。
このローラーの部分に糊を染みこませてクロスの裏側に満遍なくローラーでコロコロすれば糊付けの完了です。
窓などが無い一般的な壁の面だとまずは貼替えたい場所の高さを測りその寸法+10センチ程で裁断しましょう。次に貼替えたい面の横幅を測り90センチで割って見ましょう。例えば横幅が350センチなら350÷90=3.8になります。3.8とは枚数の事なので整数にすると4枚必要だと言うことになります。
今後DIYに関する記事も書いていこうと考えているので気になる方は是非そちらも読んでいただければと思います。
クロス屋さんの糊付機まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回紹介した内容をまとめるとこんな感じです。
- クロス屋さんが使う糊付機の種類
- クロス屋さんの壁紙糊付機ランキングTOP3
- 壁紙糊付機を買うなら中古がお得なのか?
- 壁紙糊付機のレンタルはできるか?
クロスの糊付機について紹介してきましたがここまで読んでいただけた方ならクロス屋さんじゃなかったとしてもクロス屋さんレベルで分かっていただけたかと思います。手動の糊付機や自動の糊付機があり、自動糊付機の中でもメーカーさんがこだわり抜いた様々な種類の糊付機があることも知っていただけたかと思います。
クロス屋さんのパテに使うおすすめの道具についても記事を書いたので気になる方は読んでみてください。
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