技能実習生

技能実習生はなぜ低賃金なの?監理団体に関する問題点を徹底解説!

外国人労働者:技能実習生は安い労働者ではない

私は数年前から技能実習生を雇い入れているのですが、技能実習生と聞くと「安い労働力」とか「奴隷みたいに使われている」とかを連想する人も少なくないでしょう。

メディアのニュースでは「ブラック企業が搾取した!」とかそういう報道や記事が多いのでそう思ってしまう人が多いのも仕方がないと思います。

もしくはこのままだと外国人に侵略されるから技能実習制度は反対だ!!とか思っている方も少なくないと思います。

私自身も技能実習制度自体は確かに悪法だと思います。

彼らはたしかに低賃金で働いているのですがそれには理由があるのです。

ここでは主に建築業界の話になりますが、実は日本人以上に技能実習生にお金をかけている企業が多いのが現実です!

今回は技能実習制度を利用する企業と技能実習生のお金にまつわる問題を説明していこうと思います。
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建築業界の人手不足が深刻な理由と技能実習生

実習君
技能実習制度はどんな制度なの?
技能実習制度は「外国人に日本の技術を教えて母国で日本で学んだ技術や技能を生かしてもらおう」というのが表向きの制度です。
勇助っ人
実習君
表向きですか?それでは実態はどうなっているんですか?
技能実習生の本当の目的は人手不足で厳しい業界への人材の供給です!

企業側は決して安い労働者が欲しい訳ではないんです。

勇助っ人

建築業界の人手不足が深刻な理由は主に3つあります。

  • 建築業界特有の分業スタイルと
  • 天下り団体の規制
  • 建築業界全体の投資額の減少

建築業界特有の分業スタイルと天下り団体の規制

特に建築業は需要が供給より多いのにもかかわらず業界全体が多重下請け構造になっていて末端の労働者がもらえる賃金は元の発注金額からかなり手数料が引かれた額になってしまっています。

なぜそんな事になるのかというと建築業界特有の分業スタイルという理由が1つ目

そして天下り団体が横行していて規制が厳しく労働者の平均年齢が高いためIT化で効率的にするのが難しいというのが2つ目、

建築労働者の年齢別推移

ご覧のグラフのように年々高齢者の割合が増え、若い労働者の割合が減ってしまっています。25歳以下の労働人口は全体の15%程でしかないのです。しかもこのグラフは2015年のものなので現在ではさらに高齢化が進んでしまっていると思われます。

ちなみに現在の日本の年齢別年齢推移では25歳以下は22%となっています。ただでさえ少子高齢化の社会の中でさらに少子高齢化な業界が建築業界なのです。

建築業界全体の投資額が減少

さらには政府、民間ともに建築業界全体の投資額が下がってしまっていて建築業界が全体的に不況になってしまっているという理由が3つ目です。

外国人労働者:技能実習生が必要な理由

上記のグラフのように、建設投資額は、1998年には71.4兆円だったのが、2010年には41.9兆円にまで下がり、2017年には東京オリンピックの影響もあり、55兆円まで復活しています。しかし、2020年以降リニアモーターカー特需も予想されますが、大きく建設投資額が増えることは考えにくい状況です。

建築業界が人手不足になっている理由を大まかに3つあげましたが他にも様々な問題があります。

投資も無く高齢化も加速している建築業界で成長していく鍵はIT化による業界の効率化しかないと個人的には思っているのですが、前述した通り建築業界は既得権益がまかり通っていて古くアナログな体制なのでなかなかデジタルにはなれないのが現状なのです。

そこで業界大手や既得権益を握っている団体が都合のいいように使うために元々あった技能実習制度を応用したのが現在の技能実習制度なのです。

実際に彼らを雇い入れている中小企業などは既存の労働力だけでは長期的に考えて衰退する一方ですしギリギリの状態で経営していて従業員に給料で魅力付けする事もできない企業がほとんどなので仕方なく技能実習生やその他の外国人労働者に将来の安泰のため会社の命運を託しているのが現状です。

技能実習生と監理団体の関係とは?

先ほど紹介した監理団体ですがどういう団体なのかというと

外国人技能実習機構OTITという国の機構から許可を受けた団体が監理団体です。

許可には2種類あり具体的にいうと

特定監理事業:技能実習1号、2号を監理でき許可の有効期間は3または5年

一般監理事業:技能実習1号、2号、3号を監理でき、許可の有効期間は5年または7年

があります。

ちなみに1号、2号は最初の3年で3号はその後の延長期間の2年の事です。

他にもJITCOという公益財団法人なども技能実習制度には関わっています。

今回は技能実習生と監理団体に関する主な問題を2つ述べたいと思います。

  • 技能実習生の賃金が安くなってしまう理由
  • 技能実習生への縛り

技能実習生の賃金が安くなってしまう理由

技能実習生を雇い入れる場合は必ず監理団体を挟まなければなりません。

実習生の保護の観点から国が認めた監理団体の許可が必要だからです。

その他にも技能実習生を雇い入れる際や実際に雇い入れた後にも提出しなければならない書類や手続きしなければならない事が山ほどあるので監理団体は必ず挟まなければならないのです。監理団体を挟むと当然監理費が発生します。この監理費が技能実習生の賃金が安い主な原因です。

下記は技能実習生一人当たりに掛かってくる具体的な金額です。

  • 技能実習生雇い入れ時:平均50万円
  • 毎月の監理費:平均4万円

技能実習生は基本3年契約日本に来ているのでそれ以降は技能実習3号を取りまた日本に来て会社で働いてもらうか(2年延長)、特定技能に切り替えて5年延長するかを考えなければならず、必ず会社に戻ってもらえる保証はありません。

経営している側は3年間で技能実習生に掛かった費用を彼らから回収する事を考えるでしょう。

そうすると

  • 雇い入れ時の費用の月平均:50万÷36ヶ月=約1.4万円
  • 毎月の監理費:4万円

総額月平均5.4万円

日本人を雇うよりも月平均5.4万円も余分な費用がかかってしまうのでその分を彼らの給料から削減しないと企業側はマイナスになってしまうのです。

この他にも建業では仕事を覚えて自分の給料分を稼げるようになるために少なくとも半年はかかるのでそれまでの投資金額で大体100万円ほどかかります。

この期間は大抵どの企業も最低賃金で雇うのが一般的です。

技能実習生は日本人を雇うより月平均5.4万円も費用が掛かってしまいますし、基本3年契約という縛りがあるので3年間で覚えるまでの費用を回収しようと考えるとなかなか給料を上げてあげる事ができないのです。

外国人だから安い賃金で働かせるのではなく、外国人だから日本人と同等の賃金で働かせてあげれない環境があるのです。

規制をどんどん強化して企業をより一層圧迫させるような状況がありますが、私個人的には規制を緩和して優良企業はより一層外国人労働者を受け入れやすくした方が会社にとっても外国人労働者にとってもプラスになると思っています。

例えば技能実習生の期間を初めから5年や7年に延ばしたり、技能実習生への縛りなども無くしてもっと自由に働ける環境を作ってあげるのが一番いいのだと思っています。

技能実習生への3つの縛り

次は技能実習生や企業に対する縛りを紹介していきます。

この縛りを悪用する企業がいたり優良企業なのに縛りがあることによって会社の成長を阻害されている企業もあります。

まずは技能実習生への3つの縛りを見ていきましょう。

  1. 技能実習生は必ず日本人がいる所で働かなければなりません
  2. 技能実習生は余程の理由がない限り転職ができない
  3. 技能実習生は賃貸ができない

1. 技能実習生は必ず日本人がいる所で働かなければなりません

私はクロス屋さんをやっていますが、他の日本人と同様に一人で現場に入って仕事をさせる事ができません。

当然やってもらう仕事も限られてしまうので能力があってもなかなか給料を上げられるような体制を作ってあげられないのです。

2. 技能実習生は余程の理由がない限り転職ができない

企業が彼らを圧迫してしまう理由はここにもあります。

本来なら誰でもやめてしまうような会社だとしても彼らはそこで働き続けなければならないのです。

もし技能実習生が転職できるとしたら優良な企業に技能実習生が流れブラック企業には技能実習生が集まらないという当然すぎる状況になるはずです

3. 技能実習生は賃貸ができない

これは法律的な強制力は無いのですが技能実習生は基本的に賃貸契約ができず会社の寮以外に住む事が出来ません。

ちなみに留学生は賃貸契約ができるので私が受け入れている技能実習生には留学生として日本に来ている奥さんの家で一緒に住んでいる実習生もいます。
ベトナム人の性格が知りたいかたはこちら

企業への縛りと監理団体の役割【技能実習生編】

技能実習生への縛りを紹介しましたが今度は企業への縛りをみていきましょう。

下記に企業の縛りと監理団体の役割について2つほど説明していきます。

  • 監理団体に加入し監理費を払わなければならない
  • 建築業に限り社会保険に加入している日本人の数までしか外国人労働者を雇ってはいけない

監理団体に加入し監理費を払わなければならない。

先ほども紹介しましたが、技能実習生を受け入れる企業は必ず監理費を払わなければなりません。

そして最初の技能実習生は3年契約という縛りがありその時にビザの更新のため一度実習生を帰国させなければならないのでこのタイミングでそのまま現地に帰ってしまう実習生がかなり多いです。

そのため実習生に掛かった費用を3年で回収しようとする企業が多くなり、実習生の賃金が安くなってしまうという状況が起こるのです。

「技能実習生への縛り」でも紹介しましたが彼らは転職が出来ません。

これがさらに企業が安く実習生を使ってしまうという原因に拍車をかけていると思われます。

そして技能実習生を低賃金で使う企業が増える事により国が更なる規制をかけていくという悪循環が起こるのです。

建築業に限り社会保険に加入している日本人の数までしか外国人労働者を雇ってはいけない

これは私が一番疑問に思っていることです。

建設業は国交省が管轄しています。

そしてなぜか建築業のみ社会保険に加入している日本人の人数までしか外国人労働者を雇ってはいけないのです。

日本人の従業員が5人いるのであれば5人までしか外国人労働者を雇い入れることができません。

例えば建築業以外では例え日本人の従業員が5人だとしても5年後には15人の実習生を雇えるのです。

ここら辺の詳しい説明は複雑なのでいずれ別の記事で紹介できればと思います。

人手不足が一番深刻な建設業界にだけなぜこのような制度を設けたのかは謎に包まれています。

新設された特定技能ビザに関しても建設業に限って特別な規制があったりするので大体想像はつきますが。。。笑

いずれ特定技能ビザについても書いていこうと考えているのでその時にお伝えできればなと思います!

技能実習生はなぜ低賃金なの?監理団体に関する問題点のまとめ

  • 建築業界の人手不足が深刻な理由と技能実習生
  • 技能実習生と監理団体の関係とは?
  • 企業への縛りと監理団体の役割

今回は技能実習生と監理団体の3つの話題について解説致しました。

実は、1919年日本世界で初めて国際会議の場で人種的差別撤廃案という人種差別の撤廃を明記する提案をしました。

しかし、人手不足で深刻な日本にとって大事である外国人労働者に対して行き過ぎた規制をかけ、彼らを苦しめるような状況を作りだしてしまっていると私個人的には思っています。

彼らも日本人と同じように本当の意味で平等に扱うような環境を作り出す事が大事だと思います。

ここでいう平等とは外国人労働者にも日本と同じような自由と責任をあたえてあげられるような環境を作ることです。

もちろん悪い人や日本に馴染めない人も沢山いるかと思います。

それなら日本に住んでいす外国人労働者や彼らを受け入れる企業への規制を緩和させ逆に入国の管理や規制を厳しくし、入国前の教育をもっと徹底してそもそも悪い人材が気軽に日本に入ってこないようにする事に努力するべきだと思います。

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